豊かで複雑な素晴らしい香り。シルキーなタンニン。エレガントかつパワフルで非常に長い余韻が続くリッチなワインです。ローストやグリルした肉料理や熟成したチーズと共に。樽熟成12か月です。
【産地と畑と栽培】
イタリア半島の中央部に位置するウンブリア州は、湖や川が多く水に恵まれており州の70%を緑の丘陵地が占めることから、「緑の心臓」と呼ばれています。夏は乾燥して暑く、川や湖の影響で適度の風が吹き、冬はかなり寒い地域です。
畑の面積は5haで、植密度は1ha当たり6,500本。海抜は300m、土壌は堆積岩、粘土質です。平均樹齢は12年で、コルドン式で栽培しています。
トレンタンニ ファレスコで使用しているブドウ品種メルローは熟した上品なブドウとなるよう粘土質で日当たりの良い土壌のモンテッキオ自治区で栽培、サンジョヴェーゼはバランスの良い酸味となるよう砂質や粘土質の土壌のオルヴィエートで栽培しています。
【醸造と味わい】
ブドウによって成熟するタイミングが異なり、最初にメルローからマスト(ぶどうの果汁・果皮・果肉・種子の混合物)を15%抽出した後発酵。発酵中は何度も手作業で圧搾します。サンジョヴェーゼはマストを20%抽出し発酵させます。発酵中はルモンタージュ(発酵中に発酵槽の下からポンプで液体を吸い上げ、上からかける方法)とデレスタージュ(発酵中に果汁をタンクから引き抜き、その果汁を別のタンクに入れ別々の状態にし、再度果汁をタンクに戻す方法)を行います。発酵工程の終わりにワインをブレンドし、樽で熟成。マロラクティック発酵を行い、アリエ、ヌベール樽で12ヶ月間熟成させます。
美しく輝く濃いガーネット色。チェリージャムの香りと、クローヴ、ユーカリ、腐葉土、バルサミコ、タバコ等の複雑で素晴らしい香り。フルボディで複雑。エレガントでパワフル。バランスがよく、フレッシュで、しなやかでシルキーなタンニンのコンビネーション。非常に長い余韻が続くリッチな赤ワインです。
【ワイナリー】
Falescoは、リカルド&レンツォ・コタレッラ兄弟により、1979年ラツィオ州モンテフィアスコーネに設立、現在はウンブリア州モンテッキオにワイナリーを移してさらなる発展を続けています。自らの郷土のテロワールと葡萄が持つ個性を最大限に引き出すことを目指し、飽くなき情熱でワイン造りを続けてきたファレスコは、現在娘たちにより家族の絆を表すファミリア・コタレッラと名を改め、彼らのフィロソフィーを継承しています。
【醸造家】
●Riccardo Cotarella(リカルド・コタレッラ)(画像右)
1948年ウンブリア州テルニ県オルヴィエート生まれ。醸造学校を卒業後、オルヴィエートのワイナリーで醸造をスタート。81年からフリーでの活動を始めるやいなや、醸造家として頭角を現し、カンパーニア、シチリア、ラツィオ、マルケなど、当時無名だった州を中心に近代的なスタイルのワインをリリース。世界的なイタリアワイン・ルネッサンスの立役者にして、「魔術師」「天才」とも形容される、現代イタリアを代表する醸造家の一人です。2001年ガンベロ・ロッソ「ベスト・ワイン・メーカー」、同2001年ワイン・エンスージアスト誌「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」、2002年イタリアソムリエ協会「ベストイタリアンワインメーカー」に選ばれました。2013年にはイタリア醸造家協会会長、そして2015年には国際エノログ連盟会長に就任し、Mr.メルローの異名を持っています。